3月8日(現地時間)にAppleのスペシャルオンラインイベント『Peek performance』が開催されました(余談ですが、『Peek=ちょい見せ』と『Peak=頂点』をかけているオシャレなapple イベントタイトルです)。
アップル 新作を待ちわびていた方も多かったのではないでしょうか?ウワサではM2を搭載した新型MacBook Pro、iPhone SE、iPad Airの新モデルの名前が出ていましたが、イベントでの発表は、第3世代になった『iPhone SE』、「M1」搭載でパワフルになった『iPad Air』、ハイスペックチップの『Apple M1 Ultra』、そして今回大本命の「M1 Ultra」を積んだアップル パソコン『Mac Studio』と『studio display』が発表されましたね!
今回は、3月18日に販売が開始された『Mac Studio』と『studio display』の最新レビューをお届けしたいと思います。
Mac Studioとは?モデルタイプは?
Mac Studioは新モデルで、アップルの独自半導体への移行を進めている、Macのハイエンド機種になります。位置づけとしてはMac miniの上位モデルと言えるのではないでしょうか。Mac miniのような正方形のBOX型で、サイズ感的にもまさにMac miniと言った感じです。
Mac miniと異なるのは高さと重量。Mac miniの約2.5倍の高さと2倍強~3倍の重量といった感じですね。チップは高性能な2種類から選択できます。今回新登場の『M1 Ultra』搭載、それから昨年 MacBook Proと共に誕生した『M1 Max』搭載の2種類です。
Mac miniを高くした感じのボディは半分が冷却機構となっていて、静音かつ強力に冷やしてくれます。キーボードやマウスは付属せず、入っているのは本体と電源ケーブルのみというシンプルさです。
Mac Studio スペック
メモリは最大128GBまで、SSDは最大8TBまで搭載が可能です。
背面には、Thunderbolt 4ポート×4、10Gbpsイーサネットポート×1、USB-Aポート×2、HDMIポート×1、ヘッドフォンジャック×1が内蔵されています。
前面にもUSB-Cポート×2とSDXCスロットを内蔵。最大で4台のPro Display XDRと1台の4Kディスプレイを接続できる仕様になっています。
サイズは19.7(幅)×19.7(奥行き)×9.5(高さ)cm。
無線通信はWi-Fi 6とBluetooth 5に対応です。
最大消費電力は370W。
価格は、M1 Maxモデルが24万9,800円~、M1 Ultraモデルは49万9,800円~。さすがにM1 Ultraはプロ仕様だけあって、お値段もほぼ2倍となっています。
Mac Studio レビュー
最近のAppleはプロセッサの性能を8K(7680×4320ピクセル)の動画、具体的には「Apple ProRes 422」というコーデック(映像圧縮フォーマット)でエンコードされた8K動画を何本同時に再生できるかを指標として示してくれることが多く、難しい数字や比較グラフを見るよりもわかりやすい説明になっています。
例えば、高画質なフルハイビジョン(1920×1080ピクセル)の16倍となる8K動画を毎秒30コマ以上再生するということは、プロセッサに対して膨大な負荷が掛かるし、映像データが保存されているSSDからも高速にデータを読み出さなくてはならないということになります。簡単にまとめるととても負荷の掛かるタスクということです。M1 Maxチップ搭載で「ProRes 422」の8K動画を最大7本同時に再生できるのに対し、M1 Maxチップを2つ連結して2倍の性能を実現したというM1 Ultraチップ搭載の場合は、驚愕の18本の8K動画の映像を同時に再生できるんです。これは驚異的であり、コンパクトな卓上のモンスターと言っても過言ではないでしょう。
しかもゲーミングパソコンなどは、通常パフォーマンスを重視すると発熱もファンの動作音もかなりの音量になることがありますが、Mac Studioは全然音がしないんです。これにも驚かされました。ファンの音自体が回っていないのかと思うくらい、静かな上に熱くなっていないんです。排気口に手をかざしても少し暖かく感じる程度なのでかなり優秀な排熱システムであることがわかります。
そもそもですが、Appleのチップは『M1チップ』、その上位となる『M1 Proチップ』、それを超える『M1 Maxチップ』があり、そのM1 Maxチップからさらに2倍も速い『M1 Ultraチップ』というラインナップなのですから、編集や映像加工も軽快に行えないはずはないんですよね。
最後に
Mac Studioに携わった担当者の方々の言葉に「いままでに誰も成しえなかった方法で、私たちも今までやったことの無い新しい方法でこのパフォーマンスをユーザーへ提供することができます。これから私たちは、世界中のユーザーが作りあげていくクリエイティブな何かを見ることができるということに興奮を覚えています」という言葉がありました。
そう、このMac Studioはユーザーの使い方によっては、未知なるポテンシャルと未知なる用途を生み出していく新たなツールになり得るのです。